レペゼン 

日々の気づき、目標設定etc

バリュー投資を行う

最も古くからある投資の原則は、最もシンプルでも有る。「安く買って、高く売れ」。ではこの場合、値段が高いとか安いというのはどういう意味だろうか。「高い」「安い」という言葉については、何らかの客観的な基準が必要であり、最も実用的な基準はその資産の「本質的価値」と言える。そうするとこの原則の意味は「本質的価値を下回る価格で買い、上回る価格で売れ」だ。本質的価値を正確に推計することが投資の出発点として欠かせないプロセスである。

簡略化していえば企業の株式に投資する際のアプローチは二つの基本型に分けられる。

その企業の「ファンダメンタルズ」(事業内容や業績などの基礎的要因)分析に基づくアプローチと、「テクニカル分析」(その株式そのものの値動きの研究に基づくアプローチ)だ。

証券(それを発行している企業)の価値を決めるものは何か?金融資産、工場、特許、潜在成長性等が挙げられるが何よりも利益とキャッシュフローを生み出す力だ。バリュー投資では、実物資産やキャッシュフローなどの目に見える要素を重視する。才能や人気のファッション、長期的な成長性といった「実体のない要素」にはあまり重点を置かない。バリュー投資で追及するのは安さである。一般的に、バリュー投資家は利益、キャッシュフロー、配当、実物資産、企業価値などの財務指標に注目し、これらから安いと判断した銘柄を買うことを重視する。したがってバリュー投資家にとっての第一目標は発行企業の現在価値を定量化し、安く変えるときに株を買うことである。グロース投資の目標は将来有望な企業を突き止めることだ。

 

二つの投資アプローチの違いを要約すると下記のようになる。

●バリュー投資家は(たとえ本質的価値が将来的にほとんど増大しないとしても)現在の本質的価値が現在の株価との相対比較でみて高いと確信すれば、その株式を買う。

●グロース投資家は(たとえ現在の本質的価値が現在の株価との相対比較でみて低くても)将来的に十分な利益を生み出すほど本質的価値が急増すると確信すればその株式を買う。

結局のところ企業の現在の本質的価値を推計するには、その将来性に関する見解が必要なのであり、そのためにbはマクロ経済情勢や競争環境、技術進歩などの見通しを考慮せざるを得ない。バリュー投資とグロース投資をはっきり線引きすることはできない。どちらの場合でも将来性を考慮する必要があ有る。バリュー投資家は企業の成長性も勘案する。一方、グロース投資家は成長性が有るのに安い銘柄に投資するので有って、割安感も判断基準としている。要するに何にどれだけの重きを置くかという程度の問題である。

バリュー投資に比べて、グロース投資は大勝狙いが中心となる。大勝ちできる見込みがなければ、将来の予測に伴う不確実性に耐える甲斐が無い。一般的にグロース投資は成功した場合にリターンが劇的に増大する可能性が有る一方バリュー投資は成功した場合でもリターンはより安定的だ。私自身はバリュー投資を選ぶ。

安定的にこのましい結果が得られる可能性が有るというのならバリュー投資は簡単なのだろうか。答えはノーである。まず、バリュー投資は本質的価値を正確に推計することにかかっている。次に需要なことはそこからぶれないことだ。投資の世界では、何かが正しかったとしても、必ずしもそれがすぐに証明されるわけではないからだ。投資家にとって常に正しいことをし続けるのは難しい。そして、常に正しいことをしかるべきタイミングで行うのは不可能だ。バリュー投資家が最大限望めるのは、資産の本質的価値を正しく見積もり、価格がそれを下回った時に買うことだ。だが、今日買ったところで、明日からすぐに利益が得られるわけではない。本質的価値に関する見方を我慢強く保持することが、利益の獲得につながる。

株価水準について正しい見解を持っていても、意志が固く無ければあまり役に立たない。誤った見解の持ち主の意志が固い場合、状況はさらに悪化する。