レペゼン 

日々の気づき、目標設定etc

心理的要因の悪影響をかわす

スプライシング、誤解、他人が犯す過ちなどの非効率性は、素晴らしいパフォーマンスをあげる機会を提供してくれる。むしろ、こうした非効率性を逆手に取ることが、アウトパフォームし続けるための唯一の手段である。

過ちはなぜ起きるのか。それは投資が人間によってなされる行為であり、大半の人間は自身の心理と感情に翻弄されるからだ。データを分析するのに必要な思考力を持っているものは多くいても、物事をじっくりと見極め、心理の強大な影響力に耐える能力を持ったものははるかに少ない。別の言い方をすれば、多くの人は自らの分析に基づき、認識上は似たような判断を下すが、その判断の結果どう振舞うかには著しいばらつきがある。それぞれの心理が行動に及ぼす影響は異なるからだ。投資上の重大な過ちは情報面や分析面の要素ではなく、心理的な要素によって引き起こされる。

投資家はつねに「銀の弾丸」を探し求めている。誰もがリスクなしで金持ちになるための切符を欲している。それが存在しうるか、存在するとしたら、なぜ自分たちの手に入りうるのか、と疑問に思う者はほとんどいない。要するに、希望の泉は永遠に枯れないのだ。しかし、「銀の弾丸」は存在しない。リスクを負わずに高い収益率を達成できる戦略などない。万能な者もいない。それが人間なのだから。市場は激しく動く物で有り、何よりも、長い目で見ると並外れた利益をあげる機会を奪い去る働きをする。

投資家の過ちを引き起こす四番目の心理的要因は、たとえ明らかにおかしいところが有ったとしても「多数派の見方に(逆らうよりも)同調する傾向」である。多数派の影響力の大きさを示す実験結果は、コンセンサスの判断の正当性に疑問を投げかけている。

 

対照的に、思慮深い投資家は人知れず努力し、相場が良い時期に手堅く利益をあげ、悪い時期にはほかの者より損失を少なくすることができる。自分が知らないことがいかに多いかを知り、うぬぼれないよう気を引き締めているため、周りと一緒に極めて危険な行為に走ることはない。これこそが、長期的に富を築くための最も優れた方程式だと私は考える。

 

勝率を高めるためにどのような武器を身につければよいのだろうか。

●本質的価値を強く意識する。

●価格が本質的価値から乖離した場合に取るべき行動にこだわる。

●過去のサイクルに関する知識を深め(資料を読んだり、べたラン投資家の話しを聞いたり、自分の意経験を通して)行き過ぎた相場が最終的に報われるのではなく、手痛い打撃を受けることを心得る。

●市場が極端な状況にあるときの投資プロセスにおいて、心理的要因がひそかに悪影響を及ぼすことをしっかり理解する。

●「そんなうまい話があるわけない」と思えるときは、たいていの場合、そのとおりであることを肝に銘じる。

●誤った水準にある相場がさらに誤った方向へ動いているときには自分が間違っているように見えることを進んで受け入れる。

●同じ考えの友人や同僚の支持を得る